桐廃材の炭 せっけんに 本庄の業者など開発

 桐(きり)材でたんすやげたを製造する本庄市若泉二の「関根桐材店」が、桐廃材の炭を微粒子にして練り込んだせっけん「桐炭石鹸(せっけん)」(二千百円)を「サティス製薬」(吉川市)と共同開発し、販売を始めた。柔らかい桐炭の特性で肌にやさしく汚れや臭いはしっかり落とせるといい、同店の関根紀明社長(45)は「女性の洗顔や、お年寄りの介護現場でも使ってほしい」と話している。

 同店では、毎月約三トンの廃材が出て、六〜七万円かけて焼却処分していた。もったいないと感じていたところ、京都府で廃材を炭にして河川浄化している事例を知り、二〇〇七年、市内の本庄国際リサーチパーク研究推進機構の補助を受け桐炭作りに取り組んだ。

 できた炭は水質浄化や土壌改良に使ったが、なかなかビジネスにはならず、〇九年夏に県技術士会(川口市)に相談。ちょうど面白い素材を探しに同会へ相談に来ていたサティス製薬と結び付いた。

 桐炭で作ったせっけんはほかになく、特許出願中。炭のほかの原料もすべて天然素材にこだわった。昨年十一月から関根桐材店のホームページなどで販売しているほか、都内のデパートにも売り込み中。関根社長は「日本の桐のものづくりから生まれたせっけんを、いずれは中国やヨーロッパでも販売したい」と夢を語る。

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