高価格スキンケア、節約疲れ照準 ノエビアなど最新技術を前面

 化粧品各社が高価格のスキンケア化粧品の品ぞろえを相次ぎ強化している。ノエビアは保湿成分の浸透力を高めた美容液を25日に発売するほか、ポーラはシミのメカニズムに着目した美容液を来月投入する。カネボウ化粧品も美白効果を高めた化粧水などを3月に発売する。最新技術を使い機能性を高めたのが特長で、低価格品と高価格品が売れる市場の二極化が進む中、節約疲れの女性を “賢い買い物”で引き寄せたい考えだ。

 ノエビアは、エイジングケア(抗老化)のブランド「バイオサイン」を新たに立ち上げ、美容液「インナートリートメント」(1万8900円)を投入する。独自の処方で保湿成分が肌の奥深くまで浸透し、きめが整った、ハリのある肌に導く。洗顔の直後に使えば、その後の化粧水などのなじみをよくするといい、同社は「商品自体のスキンケア効果だけでなく、手持ちの化粧品の効果も最大限に引き出せる。高価格だが、十分値打ちがある」と販売拡大に自信をみせる。

 ポーラは、美白効果を追求した「ホワイトショット」シリーズから、美容液「クリアセラム」(6825〜1万2600円)を発売する。独自開発の成分を配合し、シミのもとになるメラニンの生成を抑制する。

 美容健康食品も同時に発売。同社では、「最先端の美白研究・処方技術を駆使し、確かな効果や実感を目指している。体の内と外から美白でき、賢い買い物といえる」としている。

 一方、カネボウ化粧品は機能を特化させたスキンケアライン「インプレスアイシー」から化粧水「ホワイトローション」など3品目(5250〜1万500円)を発売する。独自開発の美白有効成分を配合するなどして、これまでのスキンケア効果を保ちつつ美白効果を高めた。

 民間調査会社の富士経済によると、2010年の国内化粧品販売では、長引くデフレや人口減少などの影響で、最量販の中価格帯商品(2000〜5000円)は前年比2.2%減と、苦戦が見込まれている。一方で、低価格帯は1.2%減、高価格帯は0.4%減と、比較的落ち込みは小さく堅調だ。「消費者は堅実で合理的になっており、多少高価でも効果が高ければ使ってみたいという意識が広がってきている」(ノエビア)という。各社の新商品投入合戦は、不振が続く化粧品市場で活性化の起爆剤となる可能性がある。

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