手洗い励行に安心なせっけん

 環境にやさしいリサイクルせっけんが学校や企業などに導入される中、無添加・無香料のリサイクルせっけんで知られる「ヱスケー石鹸(せっけん)」(東京都北区)が取り組む環境教育や地域社会活動が注目されている。

 同社のリサイクルせっけんは「手洗いによる手荒れ」を指摘した養護教諭の要望を受け、平成17年に誕生した。手肌にやさしい飾り気のないシンプルな固形せっけんで、「給食で使った食用廃油を再利用して、品質の向上に努めてきた」と同社。現在、全国の約2000校の小学校に導入されている。

 幼稚園や小学校で広く浸透する手洗い習慣だが、同社の調べでは「親指や指と指の間、関節部分に洗い残しが見られるほか、利き手の甲の部分に洗い残しがある」という。このため、同社では児童らを対象にした正しい手洗い指導や手洗い実験を実施するほか、「廃油リサイクル」をテーマにした環境教育にも力を入れている。

 インフルエンザの流行とともに手洗いを励行することの重要性が繰り返されているが、一方で「洗い過ぎによる手荒れの心配」を指摘する声もある。

 東京都新宿区の左門町皮膚科の西川武二院長は「固形せっけんには汚れを落とす成分が効率よく配合されているが、一日に何回も手洗いをする子供の場合、なるべく低刺激のものがいい」とアドバイスする。せっけんを選ぶ際には「成分表示」に目を光らせ、香料や酸化防止剤、安定剤、殺菌剤が入っているかどうかをチェック。できるだけ無添加のものを購入することがポイントだという。

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