乾燥肌は日常生活の改善で克服できる!

かゆ〜いと思ったら守りたい6カ条 乾燥肌は日常生活の改善で克服できる!

加齢で落ちる“保水力”

 寒い日が依然として続く日本列島。口から出てくる言葉は「さむ〜い」ばかりと思いきや、さにあらず。むしろよく聞こえてくるのは「かゆ〜い」「どうにかならんか〜」の悲鳴だ。

 埼玉県幸手市に住む会社員の吉田雅一さん(55)もその1人。
 「寒さもたまりませんが、2、3年目前から冬になると体がかゆくなる。とくに下半身で、靴下のゴムが当たるところや下着がこすれる部分がひどい。二の腕もたまらなくかゆいんです」

 同様の声は、本誌編集部にも多数寄せられている。一般的にこうしたかゆみは、乾燥肌による現象と捉えられている。
 かゆみをともなう乾燥肌とは、いったいどんなものか。日本皮膚科学会、皮膚科専門医の木下三和子医師は、まずこういう。
 「乾燥肌というのは、一言でいえば皮膚から水分が蒸発することなんです。水分がなくなると刺激に対するかゆみの“闘値”が低くなってかゆくなる。その要因は、アトピー性皮膚炎などの遺伝的な体質によるものと、加齢や石鹸(化粧品)などによる後天的なものがありますから、きちんと診断をお受けになることが大事です」

 皮膚は、一番外側にある「表皮」(厚さ約0.2ミリで、何層もの細胞が重なって構成される)と「真皮」(主に繊維や細胞で構成)、そして「皮下組織」(脂肪組織からなる)の三層からできている。
 表皮は、何層にも積み重なった細胞が、絶えず新陳代謝を繰り返している。最下層では新しい細胞がどんどん作られ、古くなった細胞が少しずつ押し上げられ、やがて“あか”となって自然に剥がれ落ちていく。
 ただし加齢とともに、このターンオーバーのサイクルは遅くなり、高齢になるほど角質細胞は剥がれ落ちにくくなる。いわば、皮膚が厚くなってしまうのだ。そしてキメが粗くなり“保水力”が極端に落ちてドライスキン傾向になる。角質細胞の間に隙間も増え、中の水分が外に逃げやすくなってしまう。
 同じように、皮脂腺や汗腺の機能も年齢とともに低下し、皮脂や汗(水分)の分泌量も減ってくる。その結果、脂と水分の分泌バランスが崩れ、皮脂膜はなめらかな膜をつくる事が出来なくなってしまい、皮膚の表面はカサカサの乾燥状態になる。

 こうなってしまうと、皮膚を保護するバリア機能も衰え、外界からの刺激を受けやすくなる。ちょっとした刺激に反応して、かゆみを誘発することになるわけだ。
 「こうした乾燥肌は、個人によって肌質や体質が違うために、対応の仕方も変わってきます。ただし、いずれも大部分が日常生活に起因しているので、毎日の身の回りの環境に気を配るだけでも、問題が解決するものが多いんです」

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